いただきます

 今日も元気なゆめちゃん、保育園から帰ってきて開口一番、

「お母さん、お腹すいた」

でした。

「戸棚に焼き芋が入っているわよ」

と、お母さんの優しい声が返ってきました。

 ゆめちゃんは、かばんを置いて着替えたら、早速お菓子を御馳走になります。

「いただきます」と、手を二つたたいて、チョッとあたまを傾けました。

 ゆめちゃんのどうして攻撃が始まりそうです。

「おかあさん、どうしてごはんやお菓子を食べる時に、手を二つたたいて、いただきます、と云うの?」

「それはね、神様の二つのお働きによって、食べ物を食べることができるからよ」

「ゆめちゃん、この焼き芋はどうして出来るか知ってる?」

「さつまいもを焼くんでしょ?」

「そのさつまいもはどうして出来るか知ってる?」

「農家の人が畑に植えて出来るんでしょ?」

「でも、農家の人が作るんじゃないのよ、農家の人が植えたさつまいもの種イモが、神様のお働きで水や栄養を吸収して、芽が生え成長し花が咲き、地下の根が大きくなり、さつまいもになるのよ」

「だから農家の人の苦労もあるけど、神様の作物を育てるお働きがあるからこそ、このさつまいもが出来るの」

「それに、神様の飲み食い出入りのお働きによって、ゆめちゃんの食べたさつまいもは、体を動かす力になったり、体を大きくする材料になるの」

「だから、神様の二つのお働きに感謝するという意味で、手を二つたたくのよ」

「分かった、こんどから神様にお礼を言って食べるね、それとさつまいもを作ってくれた農家の人と、焼き芋にしてくれたお母さんにもネ」