ゆめちゃんの家では神様をお祀りしています。天理教の神様です。
そして、朝と夕に神様の前でおつとめをします。
朝のおつとめはいつも忙しいのでお母さんとゆめちゃんの二人です。お父さんはお仕事が早いので出掛けています。お兄ちゃんはお寝坊さんでまだ寝ています。
夕のおつとめは四人揃ってします。真ん中の拍子木はお父さん、重たそうでゆめちゃんには持てません。お母さんはすりがねです。正式には鉦鼓と云って雅楽に使うそうですが、天理教のおつとめに使うのはバチをこする様にたたくのですりがねと言います。お兄ちゃん太鼓です。これも雅楽の太鼓と同じような形をしています。
さてゆめちゃんはちゃんぽんです、シンバルを小さくしたようなものです。これならゆめちゃんも持てます。
お父さんはよく言います。
「おつとめはみんなが揃わなくちゃいけないよ。少しくらい間違っても間違ったら直せばいい、でもちゃんと出来ても自分勝手にやってみんなと合わせないのは一番いけないんだ。
神様はみんなの心が合うことを望んでいるのだよ。」
だから、ゆめちゃんはお父さんの拍子木の音に耳を澄まして、合わせるようにちゃんぽんを鳴らします。
ゆめちゃんは一度聞いたことがあります。
「なぜおつとめをするの?」
するとお母さんは次のように話して下さいました。
「おつとめは神様に感謝とお礼をすることなのよ。
朝のおつとめは、目を覚まして下さいまして有難うございます。健康な体をお貸し頂いて有難うございます。
夕のおつとめは、今日も一日元気で過ごさせていただきまして有難うございます。
そして、毎日おつとめをすると、神様は守って下さるのですよ。」
それを聞いてゆめちゃんは思い出しました。この前道路で遊んでいたら、あやうく車に轢かれそうになったのです。あの時も神様が守ってくれたんだな、と。
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