ゆめちゃんの家族は朝起きると神様にご挨拶します。今日もゆめちゃんはお母さんといっしょに、神様の前で手をたたいておはようございます、と挨拶をしました。その時お母さんはお賽銭箱にお金を入れました。
ゆめちゃんはそれに気付いて、お母さんに聞きました。
「なんで毎日お賽銭をするの?」
お母さんは答えてくれました。
「このお賽銭は、神様へのお礼なのよ。」
へえー、そうなの、と思いながらゆめちゃんはすっきりしません。何で神様にお礼をしなけりゃならないのかな、と思いながらもお母さんには聞けませんでした。
そしてしばらく経ったある日、お父さんが仕事から帰ってきて、次のような話をしました。
「大難が小難だったな。」
「今日仕事で現場に行ったら、あやうく車にひかれそうになったんだ。運転手は居眠りしていたみたいで、こっちに突っ込んできたんだけど、あわててかわしてひかれずにすんだけど、転んで膝をすりむいてしまった。」
と、言って包帯をまいた膝を見せてくれました。
「神様のおかげだな!ひとつ間違えば大怪我か死んでいたところだ。」
「毎日の神様へのお礼のおかげだな。」
お母さんは、ゆめちゃんにも分かるようにお話ししてくれました。
「私たちのこの体は神様からお借りしているのよ。この体を動かしているのは私たちだとみんなは思っているけど、実は違うの。この体を動かしているのは、親神様なのよ。」
「手足を自由に動かせるのも、毎日ごはんを食べる事が出来るのも、勉強やあそびが出来るのも、みな親神様のおかげなの。」
「それで毎朝起きたら神様にお礼をするのよ。」
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