ひのきしん

 ゆめちゃんの家族は毎月一回近くの公園の草取りをします。

 お父さんが第一声、

「さあ!ひのきしんに行くぞ」

 ゆめちゃんは

「はあい」

 家族みんなで出発です。

 歩きながら、ゆめちゃんはお母さんに聞きました。

「おかあさん、ひのきしんってなあに」

 お母さんはやさしく答えてくれました。

「ゆめちゃんの体はね、ゆめちゃんだけでなくお母さんやお父さん、お兄ちゃんの体も、世界中の人の体は、神様のおかげで自由に動かす事が出来るのよ。

 駆けっこが出来るのも、ボールで遊ぶ事が出来るのも、お絵かきが出来るのも、みな神様のおかげなのよ。

 その神様に御礼をして、神様に喜んでもらう事をひのきしんと言うのよ。」

 神様が喜ぶことは何か分かる?」

「神様が喜ぶことは、善い事をすること?」

「神様が喜ぶことは、みんなが助け合って幸せになる事なのよ。それを陽気ぐらしと云うの。

 困っている人を助けることもその一つ。

 今日公園の草取りをするのも、公園で遊ぶ人が草でつまづいたり、思うように遊べないと困るので、伸びすぎた草を取るためなのよ。」

「ひのきしんって、草取りをすることなの?」

「草取りだけがひのきしんじゃないのよ。道路のゴミ拾いだって、お母さんのお手伝いだって、保育園のウサギの世話だって、神様に感謝してやればみんなひのきしんなのよ。

 大事な事は、神様に感謝する事で、どんなことでも人に喜んでもらうことはひのきしんになるのよ。」

「わかった!私、毎日ひのきしんするね。」

 ゆめちゃんは、毎日が楽しくなりました。