ゆめちゃんのお父さんは電気の仕事をしています。作業場にはいろんな道具があります。ペンチ、ドライバー、半田ごてなど棚の上にはいっぱい並んでいます。
ゆめちゃんはお父さんの仕事を見るのが好きです。
「ゆめちゃん、この道具は何に使うか知ってるかい?」
お父さんはドライバーという道具を持ってゆめちゃんに聞きました。
「見たことはあるけど何に使うかは分からないよ。」
「これはドライバーと言ってネジを回す道具だよ。」
と言って、実際にドライバーでネジを回して見せました。
ドライバーにはいろんな種類がありました。大きいのから小さいのまで、また先が数字の「十」になっているものと数字の「一」になっているものがありました。
同じ大きさのものでも、新品でピカピカしているものもあれば、手垢で汚れてきたないものもあります。
「お父さん、同じようなドライバーなのに、こっちはピカピカで、こっちは汚れているのは何故なの?」
「この汚れているのは毎日のように使っているから、ピカピカなのは一、二回しか使わなかったからなんだ。何故だか分かるか?」
「何故なの?」
「それは、こっちの汚れている方は握りやすく使いやすいからなんだ。」
「どんな道具でも、使いやすい道具もあれば、使いにくい道具もある。使いやすい道具は何回でも使うが、使いにくい道具は一回きりで後は見向きもされないんだ。」
「親神様は、陽気ぐらし世界を造る為に人間をお創りになった、ようぼくはその道具なんだ。ゆめちゃんも大きくなったらお父さんやお母さんのようにようぼくになって、教祖の道具となって陽気ぐらし世界を造るんだよ。でも、道具として使ってもらうには使い良い道具でなければならないんだ、この汚れているドライバーのようにね。」
「また、道具には、ドライバーのように毎日のように何回も何回も使う道具もあれば、ペンチのように時々しか使わない道具もある。中には今までに一回しか使わなかった道具もあるんだ。」
「でも、たった一回しか使わなくても必要な道具にかわりはないんだ。」
「親神様が人間を創られる時、道具雛形を引き寄せて使われた。その中にカメはつなぐ道具として、ふぐは切る道具として使われたんだ。」
「つなぐ道具は何回も使うけど、切る道具は数回しか使わない、でもどちらも必要な道具であることにはかわりはないんだ。」
「ゆめちゃん、分かったかな?」
「・・・・・?」
どうも今日の話はゆめちゃんには難しかったようです。
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