ゆめちゃんには嫌いな食べ物があります。それはニンジンです。
ゆめちゃんはニンジンの入っている料理を食べる時は、ニンジンをわきに寄せて他のものだけ食べます。だから、ゆめちゃんが食べた後のお皿にはニンジンが残っています。
ゆめちゃんは知りませんでしたが、残したニンジンはみんなお母さんが食べていたのです。
ある時、お母さんが留守の時にカレーライスを食べたのですが、入っていたニンジンはお皿を洗う時にゴミ箱に捨てられました。ゆめちゃんは食べないのだからと何気なくゴミ箱に捨たのでした。
お母さんが帰ってきて、ゴミ箱に捨てられたニンジンを見て、ゆめちゃんに言いました。
「ゆめちゃん、食べ物をそまつにしてはいけませんよ。」
「神様は何故ニンジンを造って下さったか知っていますか?」
「人間はいろんな食べ物からいろんな栄養を摂らなければ病気になってしまうのよ。
だから、いろんな種類の食べ物を造って下さったの。そのひとつがニンジンなの。」
「ニンジンには他の食べ物にはない大事な栄養が入っているのよ。」
「だってニンジンは嫌いなんだもの。」
ゆめちゃんは反論しました。
「嫌いなのはしょうがないけど、ゴミ箱に捨てちゃいけないわね。」
「だってお母さんだって捨てているでしょ?」
「お母さんはね、ゆめちゃんの残したニンジンを後で食べているのよ。ゆめちゃんがニンジンを好きになってくれますようにと神様にお願いしてね。」
おやさまは次のようにお話下されました。
「物は大切にしなされや。生かして使いなされや。すべてが、神様からのお与えものやで。」
ニンジンはゆめちゃんの身体にとって大事な食べ物なんだということが分かりました。これからはニンジンも好きになるように頑張ってみようと、ゆめちゃんは思いました。
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