その七 組係Ⅱ

 うちの組係は一生懸命やってくれましたが、色々な事も思いつきました。三ヶ月目に布教実修というのがあります。その為に理づくりとしてひのきしんをすることになりました。その時二番の組係が突拍子もない事を思いついたのです。真柱宅の庭の掃除をさせてもらおうと云いだしたのです。修養科のひのきしん掛に聞いたら、もちろん却下でした。では何処かいつもは出来ない場所でひのきしんをさせてもらいたいとお願いし、西のスロープの下のいつもは開いていない場所の掃除をさせてもらいました。

 また、クラス全員で十二下りの勤修をしたいと言い出したのです。でも、まだ全員が十二下りを出来る状態ではないと副担任の先生から待ったが掛かり、それではよろづよだけでも良いから、九〇四期全員で黒門の前でやりたいと言って来たのです。それでいろいろ掛け合ったのですが、黒門の前は許可が下りず、最終的には修養科の朝礼をする四棟前で九〇四期全員でよろづよを勤めることになりました。これは修養科生が独自でやることなので私は見守っていたのですが、引っ張り込まれ一緒にやることになりました。そして、人生で初めて胴上げをされました。テレビではよく見ますが、自分がされるとは思いもしませんでした。

 また、おさづけの日が決まって、その前日一番の組係から「先生覚悟して下さい」と言われました。何のことだろうと思っていたら、組係三人揃って、「おさづけを戴く三人に、修養科の主任先生からお言葉を頂きたい」と云うのです。この頭だったらいくらでも下げるからと、色紙を持って一緒に主任先生の所へ行きお願いしました。主任先生は快く引き受けて下さいました。ついでに、組係にもとお願いしたら、さすがに断られました。彼らも諦めきれず、自分たちでひのきしん掛長の先生にお願いして頂いたそうです。