かしもの・かりものとは何

 天理教の教えでは、人間の身体は親神様から借りている、親神様から見ると貸しているのだと、教えています。

 人間が生まれる時、まず女性の胎内にある卵子が受精します。この受精も親神様の働きがないと受精出来ません。いくら子供が欲しいと願っている夫婦でも、子供が出来ないこともあります。

 次に、受精した卵子が十月十日かけて育っていくのも、親神様のお働きによるものなのです。

 親神様のお働きを十に分けて十全の守護として教えて頂いています。その証拠として手足の指は十本ずつあるのです。

 一番目は、人間身の内の眼うるおい、世界では水の守護。

 二番目は、人間身の内のぬくみ、世界では火の守護。

 三番目は、人間身の内の女一の道具、皮つなぎ、世界では万つなぎの守護。

 四番目は、人間身の内の男一の道具、骨つっぱり、世界では万つっぱりの守護。

 五番目は、人間身の内の飲み食い出入り、世界では水気上げ下げの守護。

 六番目は、人間身の内の息吹き分け、世界では風の守護。

 七番目は、出産の時、親と子の胎縁を切り、出直の時、息を引きとる世話、世界では切ること一切の守護。

 八番目は、出産の時、親の胎内から子を引き出す世話、世界では引き出し一切の守護。

 九番目は、男雛型・種。

 十番目は、女雛型・苗代。

 この十全の守護によって、私たち人間は生きていくことが出来、衣食住やその他の事一切が、親神様のご守護によって成り立っているのです。

 人間は出産の時三つの守護(七番目と八番目と三番目)により、無事に子供を産むことが出来ます。それでお産(さん)と言います。また、亡くなる時、これを天理教では出直しと言っていますが、七番目の守護で息を引き取ることが出来るのです。

 つまり、人間は生れてから死ぬまでの事が全て親神様のご守護なのです、それを「かしもの・かりもの」と云うのです。