つなぎの守護

 親神様の十全の守護の続きです。

「親神様の十全のご守護の三番目は、人間身の内では女一の道具皮つなぎ、世界では万つなぎの働き」

「人間の皮膚は切れ目が無くつながっているじゃろ、だから元気で居られるのじゃ」

「この皮膚が切れたらどうなるか分かるかな、大変なことになる、血があふれ出て生命が危うくなったり、その辺の沢山いる細菌に感染して病気になったりしてしまう」

「だから、人間の皮膚は切れ目無くつながっている、これも親神様のお働き、御守護なのじゃ」

「でも、口は開いてますよ、大丈夫なんですかね」

「口は切れているのじゃなくて、中の方につながっているのじゃよ」

「口の中は食道や胃、腸につながって、最後はお尻の穴になっている。これらも身体の中にある皮膚のようなものじゃ」

「次に万(よろづ)つなぎじゃが、まずは金銭のつなぎ、下世話な話で『金の切れ目が縁の切れ目』と云うのがあるが、まさに人間関係はお金でつながっている事が多いな」

「会社では社員は仕事をして給料と云うお金を貰っている」

「物を売る商売は物を売ってお金を貰っている」

「サービス業はサービスをしてお金を貰っている」

「農家の人はお米や野菜を作って、それを農協や仲買人に売ってお金を貰っている」

「つまり、仕事はお金を貰うためにするのだから、仕事上の人間関係はお金でつながっていると言って良い」

「人間関係の多くはお金でつながっているのじゃ」

「この金銭によるつながり、例えば会社に就職するのも、商売をしてお得意さんが出来るのも、作ったものを売ることが出来るのも、すべて親神様のお働き、御守護」

「次に縁談、家庭の始まりは夫婦からじゃ」

「夫婦が出来なければ子供も出来ず、親子の関係も出来ない」

「今は恋愛結婚が多いが、昔はほとんどが見合いだった」

「見合いは縁を結ぶ人が居て双方に話をするから出来る、これが縁談」

「縁談は夫婦となる二人を繋ぐことなんじゃ」

「恋愛結婚でも、誰かや何かがきっかけを作って恋愛をするのだから、縁談と同じに二人を繋いでいるものがある」

「他人だった二人が結婚して夫婦になる、これも親神様のつなぎのお働き、御守護があったから」

「その他にも、友達になったり、趣味の同好会に入ったり、人間関係のつなぎは沢山あるが、すべてつなぎの御守護なんじゃよ」

「へえ、わしがかかあと一緒になったのも親神様の御守護なんですかね、でも、もっと良い女と一緒になりたかった」

「トメさん、それは欲張りと云うものじゃ、あんたには今の奥さんがちょうど良いんじゃよ」

「そういうもんですかね」