信者詰所はどう云う所

 天理教の信者は、おぢば(天理教本部の神殿がある所)へ帰ると、信者詰所に滞在します。信者詰所で宿泊したり食事をとったりします。宿泊代や食事代は、一般のホテルから比べると五分の一~十分の一と低額で、安く滞在することが出来ます。

 天理教の信者は必ずどこかの教会に所属します。教会には前回記したように、直属教会と部内教会があります。信者詰所は直属教会毎にあります。ですから、所属教会の直属教会が同じならば、同じ信者詰所で寝泊まりすることになります。

 直属教会にはその布教の道筋により、部内教会が全国各地にあります。北海道に部内教会があったり、九州にあったり、外国にある場合もあります。ですから、北海道の人と九州の人が一緒に食事をする事は稀ではありません。

 信者詰所は参拝の為の宿泊施設であると同時に、本部で行われる各種講習会や修養科(三ヶ月間天理教の勉強や信仰の実践を学ぶ所)に来た信者の宿泊施設でもあります。

 信者詰所に宿泊した信者は、朝夕の本部のおつとめを参拝します。また、病気の治癒を願ったり、心の研鑽の為に清掃や回廊拭きをする人もあります。信者詰所は単なる宿泊施設ではなく、信仰の修行の場でもあるのです。

 信者詰所は、信者の御供で建てられ、また運営維持されています。ですから、使用する信者は自分の家のように、自ら掃除をしたり、食事の準備や後片付け等を行います。

 食事は炊事本部から配食され、どの信者詰所でも同じものを食べます。炊事本部では一度に十万食が作れる設備を持っています。

 信者詰所は、その直属教会の本部事務所のような役割も担っています。直属教会は一般に本部から離れた所にあります。天理市内にある直属教会もありますが。

 本部から離れた所にある直属教会は、本部からの連絡をまず信者詰所で受けます。その為に、責任ある立場の詰所主任又はその代理となる人が常駐しています。

 信者詰所は、天理教の信者が安心しておぢばがえり出来るようにと、運営されています。また、未信者の人でも、知り合いの信者の方に頼んで、一緒に滞在することが出来ます。ただし、掲示された宿泊心得を守ることが必要です。