隣のトメさんがやって来ました。
「ナオじいちゃん、居るかい?」
「おー、トメさんか」
「最近は殺伐としたニュースばかり流れているね。親が子供を殺したり、子供が親を殺したり」
「何でこんなことが起こるんだろうね」
「わしは犯罪学者でもなければ教育学者でもないし、心理学者でもないが、基本が大事だと云う事かな」
「家族の問題の根本は夫婦にある、とわしは思う」
「子供は親の後姿を見て育つと云うように、親の生活そのものが子供の心を育てているのだ」
「父親が母親に暴力をふるったり、踏みつけにしたり、また母親が父親を尻に敷いたりしたら子供はまともに育たないな」
「神仏を拝む時に手を合わせるだろう、それは夫婦は五分五分と云う理を表している。左手の五本の指と右手の五本の指を合わせている、これで五分と五分、これは互い立て合うとことである」
「いんねん寄せて守護すると言われるように、夫婦というのはいんねん寄せて夫婦となったのだから、お互いに相手の良いところも悪いところも、自分と丁度良いのだと思わなければならない、これが基本だ」
「何故なら、親神様は助けたいと思われて夫婦として縁を結んでくれたのだから」
「ふうん、そんなもんかね。うちのかかあも、俺には丁度良いのかね?」
「親神様は陽気ぐらしをさせたいと思召されて人間をお造りになった。そのためにまず夫婦を拵えられた、そしてその他全ての物を拵えられた」
「私達が陽気ぐらしをするには、親神様のご守護を知らなければ、かしもの・かりものの理を分からなければならない、これが基本なんだ」
「医者も薬も、拝み祈祷も、易判断も皆、これまで人間の修理の為に、親神様が教えておいたという。これは十のものなら九つまでの教えで、最後の一つが、人間の身体は親神様からのかりもの、親神様から見ればかしものと云う事だ」
「このかしもの・かりものと云う事が分からなければ陽気ぐらしが出来ないのだが、我々人間はなかなかこれが理解出来ない。病気になって初めて、自分の身体を自分では動かす事が出来ないと知るのだよ」
「難しいもんだね」
「次は親神様のご守護の話をしよう」
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