方角と守護

 ナオじいちゃんの教理談義はまだまだ続きます。

「方角と神様の守護について話しよう」

「まずは北、北は『くにとこたちのみこと』、水の守護」

「北は十二支で言えば子(ね)、時刻で言えば午前零時」

「また、地図では北の方角は上に表示されるじゃろ、だから水は上から下に流れる」

「くにとこたちのみこと様は男神様じゃから、男は上で天となる分けじゃ」

「次に南、南は『をもたりのみこと』、火の守護」

「南は十二支で言えば午(うま)、時刻で言えば午後零時又は正午。正午の午は十二支の午からきているのじゃ」

「地図では南の方角は下に表示される。だから火は下から上に燃え上がっていく」

「をもたりのみこと様は女神様じゃから、女は下で地となる分けじゃよ」

「でも、男は天で上、女は地で下だからと云って男が偉いわけじゃない」

「へえ、そうですか。あっしは今聞いた話で男の方が偉いと思ったんですがね」

「話は最後まで聞くものじゃ」

「男は上で女は下だが、それは上と下の区別があるだけの事」

「神様や仏様を拝む時は、右と左の手を合わせるじゃろ。これは右手の指が五本、左手の指が五本、中には悪さをして指が一本無い者もおるがな、この右の五本の指と左の五本の指を合わせるので、夫婦は五分と五分と云う理なのじゃよ」

「だから、トメさんと嫁さんとはどちらが偉いと云う分けではない、五分五分なんじゃよ」

「五分五分ねえ、あっしはいつもかかあに負けていますがね」

「ことわざにも負けるが勝ちと言うだろう」

「次は東、東は『くもよみのみこと』、水気上げ下げの守護、水気上げ下げとは雨を降らせる事」

「また、人間身の内では飲み食い出入りの守護で、胃腸が調子が良いのも、くもよみのみこと様の働きのおかげなのじゃ」

「東はお日様が出る方角だから朝を意味する」

「朝起きの人は胃腸を患う人が少ないと言われる。これは医学的にも証明されている事なんじゃよ」

「次に西、西は『をふとのべのみこと』、引き出しの守護」

「人間の身体が成長するのも作物が生育するのも、引き出しの守護、をふとのべのみこと様の働きのおかげなのじゃ」

「西はお日様が沈む方角だから夜を意味する」

「人間も作物も夜に成長すると言われる」

「東と西は向かい合っている、これは対になっていると云える」

「人間は胃腸の働きにより食事をして栄養を摂取し、身体が成長する。作物は雨が降ることにより、地中の養分を吸収して生育する」

「また、地図では東の方角は右に、西の方角は左に表示される」

「東のくもよみのみこと様は女神様じゃから、右は女の理」

「西のをふとのべのみこと様は男神様じゃから、左は男の理」

「これは全て元始まりの話からきているのじゃ」

「へえ!、勉強になりました」