火の守護

 親神様の十全の守護の続きです。

「親神様の十全のご守護の二番目は、人間身の内ではぬくみ、世界では火の働き」

「人間は体温が三十六度五分前後(個人差はあるが)でなければ正常に活動することが出来ない」

「その人間の体温を三十六度五分前後に維持するためには、食べ物からエネルギーを取り出し、体温を調節しなければならない。それが人間身の内のぬくみの働きじゃ」

「どうして体温を調節しているんですか?」

「それは、一つには血液を循環させて体温を調節しているのじゃ。血液は酸素と栄養を運んで、エネルギーを作っているが、また熱も運んでいる」

「冷え性の人が居るじゃろ」

「へい、うちのかかあも冷え性で、分厚い靴下を二枚重ねて履いているんですぜ」

「冷え性の人は、手足の末端の血管に血液が届きにくいから手足が冷えるのじゃ。女で冷え性が多いのは、女は火の働きを持っていて、男を尻に敷くからで、男は水じゃから冷たい水を尻に敷くと冷え性になる」

「風呂を考えてみろ、火は水の下で水を温めるから、お湯となって気持ちの良い風呂に入る事が出来るじゃろ。それと同じで、女は男を立てなければならない」

「良い事を聞いた、今度かかあに言ってやろう」

「体温を上げるには血液の巡りを良くすればよいが、体温を下げるにはどうすれば良いと思うかな」

「汗をかけば良いんですか」

「そうじゃ、人間は汗をかいて体温を下げる。でも、犬のように毛が多い動物は汗をかくことが難しい、ではどうして体温を下げるのか分かるか?」

「・・・・・・」

「犬は口でハアハア息をして熱を逃がしている、でもそれじゃなかなか体温は下がらない。だから、犬は夏が苦手なんじゃ」

「話はにそれたが、血液を循環させるのも、汗をかくのもすべて親神様のぬくみのお働きによるものなのじゃ」

「また、世界では火の働きと云うのは、太陽の温みで物が温められるから、人間は生きていく事が出来る」

「太陽と地球の距離がちょうど良いからで、これも親神様のご守護なのじゃよ」

「火は強ければ物が焼けてしまう、また、弱ければ役に立たない。適度の強さが良いのじゃ」

「これと同じで、人間もカッカと燃えすぎると弊害が起こる、熱心すぎるのも良くない。適度が良いのじゃよ」

「へえ、わかりやした」