立ち止まって考えてみよう

 孫の勇君がやって来ました。勇君は家が天理教の教会で、一応教会長後継者になっています。

 勇君は悩むとナオじいちゃんの所にやって来ます。

「ナオじいちゃん、こんにちは!」

「勇か、今日も元気がいいな」

「うん、僕は元気だけが取り柄だからね」

「でも、今日は空元気なんだ」

「どうした」

「最近青年会活動が停滞気味で、どうしたら良いか悩んでいるんだ」

 勇君は、地区の青年会の委員長をしています。

「コロナの影響か?」

「そうなんだ、軒並みイベントが中止されて、何も出来なくなっているんだ」

「それじゃ今何をやっているんだ?」

「特に何もやっていない、やることが無いんだ」

「やることが無いと云うのはおかしいな」

「今まで、与えられたことしかやってこなかったからじゃないか」

「良い機会だから、一度立ち止まって考えて見ようじゃないか」

「青年会の委員長として今までやってきたことは、勇がやりたかった事なのか?」

「別にやりたかった事じゃなく、ただ何となく青年会本部から言われたからやって来たんだけど」

「勇は何かやりたいことは無いのか?」

「あるんだけど、何かぼやっとして、でも、青年会本部から言われていることは、自分のやりたいことではないと、前々から思っていた」

「今はそれを考える良い機会じゃないかな」

「青年会は『あらきとうりょう』であると、ワシは思っている」

「みかぐら歌に、『やまのなかへとゆくならバ あらきとうりやうつれてゆけ』とあるように、今までないことをやるのがあらきとうりょうだ」

「天理教の歴史を見ると、多くの活動、行事は、青年会が最初に行ったものだ」

「それが、最近はあまりない、おとなしすぎる」

「若いからこその発想で、何をしたいのか、何をやらなければならないのか、を考えてみるんだな」

「分かった、自分なりに考えてみるよ」

「ありがとう」