近所のトメさんがやって来ました。
「ナオじいさん、ちょっと聞いてくれよ。」
「今度俺と女房の銀婚式をやるんだけど、俺が決めた日にちが悪いと言って、女房が文句を言うんだ。」
「ほう、どんな文句なんだい?」
「その日は、子供達や孫も来れるようにと日曜日にしたんだけど、あいにくと仏滅で、女房は祝い事には日が悪いと云うんだ。」
仏滅とは六曜の一つで、仏も滅するような大凶日の意味ですが、仏教とは関係がないそうです。昔は暦に書かれていましたが、最近は使用しなくなる傾向にあります。
「日柄について、教祖はこのようにお話下された。」
『不足に思う日はない。皆、吉い日やで。世界では、縁談や棟上げなどには日を選ぶが、皆の心の勇む日が、一番吉い日やで。』
「仏滅だから、友引だからと日を嫌うのは良い事ではないが、教祖の仰るように、みんなが勇む日が良い日だと思うな。」
「それには、奥さんも勇む日でなければいけない。」
「それじゃどうしたら良いんですか?」
「今云った教祖のお話を言って、みんなが集まれて、みんなに祝ってもらえば、仏滅も逃げてしまうよ、と言ってごらん。」
「ありがとうございました。」
と言って、トメさんは帰って行きました。
翌日、トメさんは笑顔でした。
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