隣りのトメさんがやって来ました。
「ナオじいちゃん、今日はチョッと聞きたいことがあってさ」
「ほう、なんだい」
「巷ではSDGsと云う言葉が流行っていてるようなんだけど、どういう事なんだろうね」
「物知りのナオじいちゃんなら分かるかと思ってね」
「そうじゃな、SDGsというのは、持続可能な開発目標と云って、人間が地球にずっと住み続けられるように、17の目標を2015年に国連が決めたことで、2030年までに達成しようというものだ」
「この17の目標を分類すると、人間に関すること、豊かな生活に関すること、地球に関すること、平和に関すること、そして互いにたすけ合うこと、の五つがある」
「なんか俺たちにとって良い事なんですかね」
「このSDGsは、『誰一人取り残さない』という理念のもとに決められたことだから、トメさんにとっても、ワシにとっても、世界中の全ての人にとっても良い事なんじゃよ」
「だから、他人ごとではなく、ワシたち一人一人が考えなければならない事なんじゃよ」
「なんか難しそうだな?」
「出来る事から始めれば良い」
「おみちを信仰している我々には意外と簡単なことじゃよ」
「この大半の事は教祖が百五十年以上も前から教えてこられたことなんじゃからな」
「たとえば、『誰一人取り残さない』と云う理念は、教祖が『親神にとっては世界中が皆我が子、一列を一人も余さず救けたいのや』と仰せられた事と同じことじゃ」
「また、かしものかりものの教えは、自分の身体を大事にし、自然を大事にする、病気と健康、教育、水と衛生、気候変動、海の豊かさ、陸の豊かさにつながる考え方じゃ」
「教祖は、『物は大切にしなされや。生かして使いなされや。すべてが、神様からのお与えものやで。』と仰せられ、また『菜の葉一枚でも、粗末にせぬように。』とも仰せられたのは、つくる責任つかう責任の心の持ち方を教えられたものと思う」
「へえ、教祖は世の中の先を行っていたんだね」
「そうじゃ、トメさんもまじめに信仰しなけりゃいかんな」
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