孫の勇くんがやって来ました。
「ナオじいちゃん、こんにちは」
「おお、勇か」
「最近思うんだけど、新型コロナウイルスで神様は何を教えて下さったんだろうって」
「うん、悩むことは良い事だ」
「コロナウイルスが流行して、いろいろな制限がされ、人が集まる事が出来なくなった」
「それで、僕たちは一人で出来る事をやったり、インターネットを使ってリモートで会ったり、いろいろ工夫をしてきた」
「でも、制限が解除されて、また元と同じように出来るようになって、それで良いのかなと思うんだ」
「そうだな、コロナ禍でじっくり考える時間を持てた、という事じゃないかな」
「わしは前から思っていることなのじゃが、人が集まって何かをする行事は、それだけでは意味がない」
「日頃の一人一人の活動があるからこそ、時々行う行事が生きてくるのじゃと思う」
「日々の活動こそが大事なのじゃ」
「うん、行事やイベントは面白いから頑張るけど、終わったらむなしくなるのは、そのせいかな」
「最近は、行事のための行事、イベントのためのイベントと、ただやる事が目的になっている」
「何のためにやるのか、それにはどうしたら良いかをじっくり考えなければならないと思うんじゃ」
「木を見ると、枝葉が茂っている、花が咲いている、実がなっている」
「行事やイベントは花や葉のようなもので見た目は綺麗だが、花が咲くのも葉が茂るのも、根があるからなのじゃ」
「根がしっかりして必要な養分を吸収するから、枝が伸びる、葉が茂る、花が咲くのじゃよ」
「この根は日々の活動じゃ、日々の活動をしっかりやっているかどうか、根は土に埋まっていて見えないから、時々は掘って確認をする事が必要なんじゃよ」
「分かった、根を掘れという事だね」
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