三年三月

「わしは、気になることがあったら、調べて納得しなければならない性格でな」

「最近、元の理の中にある、『三年三月』が気になってな、これはどういう事を表しているのだろうか、と」

 天理教教典第三章元の理には、次のように記しています。

そして、月様は、いざなぎのみことの体内に、日様は、いざなみのみことの体内に入り込んで、人間創造の守護を教え、三日三夜の間に、九億九万九千九百九十九人の子数を、いざなみのみことの胎内に宿し込まれた。それから、いざなみのみことは、その場所に三年三月留り、やがて、七十五日かかつて、子数のすべてを産みおろされた。

「人間の妊娠期間は十月十日だろ、それが何で三年三月なんじゃろう」

「それで調べてみたら、『ヒトの赤ちゃんは未成熟な状態で生まれてくる。類人猿に比べると、人類は巨大化した脳を持っているので、この状態で無事出産するためには、赤ちゃんの脳が小さいうちに、つまり未成熟なうちに産む以外、方法がなかった。(麻生武著「乳幼児の心理-コミュニケーションと自我の発達」より)』と書かれていた」

「人間の赤ちゃんは、何も出来ない、未成熟の状態で生れてくるんじゃよ」

「他の動物は、例えば馬の出産シーンを見ると、生れた仔馬はすぐに立ち上がり、母馬の所へ行って乳を飲み始める」

「でも、人間の赤ちゃんは何も出来ない、ただ泣くか笑うしか出来ない、親が全て世話をしてあげなければならないのじゃよ」

「では、赤ちゃんが自発的に歩いて親の所へ行くのは何時頃だろうか」

「それは、二歳~三歳だそうだ」

「それで、二歳と三歳の平均を取って二歳六ヶ月、それに九ヶ月を足すと、三年三ヶ月となるのじゃよ」

「わしも昔は分からなかったが、十月十日は十月目の十日で、九ヶ月と十日なのじゃ」

「そこでまた疑問が生まれた、親神様は何故人間を未成熟の状態で生まれさせるのか」

「先の話に続きがあって『ヒトは未成熟で生まれてくるために、親からの絶え間ない養育を受けなければ生きていけません。しかしそのことが親からさまざまなことを学習する機会となる』と書いてあるのじゃよ」

「親神様は、親が子供へ色々な事を教えて、親子の絆を深くしていくようにと、思われたのじゃないかな」

「親が子供を育てるのは、並大抵のことではないから、親の恩は何時も忘れずにいなければならないな」